ギャンブル(パチンコ・パチスロ・競馬等)による借金は自己破産することはできます。
自己破産は裁判所で手続きを行う債務整理方法で、裁判所から免責を得ることによって借金返済の義務がなくなって、借金がゼロになるという債務整理方法です。
そのため単純に自己破産手続きをすれば借金がゼロになるというわけではなく、裁判所から免責を得ることができないと借金はゼロにはなりません。
ただギャンブル(パチンコ・パチスロ・競馬等)による借金は自己破産手続きで免責を受けることができない条件の中の「免責不許可事由」に該当します。
裁判所のホームページには免責不許可事由について下記のようなもの記述があります。
免責不許可事由でよく問題になる事例
「1)浪費(むだづかい)やギャンブルによって多額の借金をしてしまった場合
(2)財産を隠したり,壊したり,勝手に他人に贈与したりした場合
(3)破産申立てをする前の1年間に,住所,氏名,年齢,年収等の経済的な信用に関わる情報について嘘をついた上で,お金を借りたり,クレジットカードで買物をしたりしたような場合
(4)ローンやクレジットカードで商品を買った上で,その商品を非常に安い値段で売ってお金に替えた場合
(5)破産の申立てをした日から数えて7年以内に免責を受けたことがある場合
(6)裁判所や破産管財人が行う調査に協力しなかった場合」
参照:裁判所ホームページ
上記の自己破産の免責不許可事由に照らし合わせると、ギャンブル(パチンコ・パチスロ・競馬等)による借金は自己破産できないということになります。
しかし実際にはギャンブルによる借金で自己破産した人は数多くいます。その理由は「裁量免責」という仕組みがあります。
自己破産手続きでは免責不許可事由に該当するような事例でも裁判所の判断で自己破産を認められるケースがあります。この裁判所の判断で自己破産が認められることを「裁量免責」と言います。
つまりギャンブルによる借金だったとしても必ず免責不許可になるというわけではなく、裁判所の判断で免責が認められる可能性があるということです。
免責不許可事由に該当する人を全て免責不許可にしてしまったら借金を抱えてどうしようもない状況になってしまった人を助けることができず、自己破産の目的を見失うことになってしまいます。
そのためパチンコやパチスロ、競馬やオートレースなどのギャンブルによる借金だったとしても、裁量免責によって十分に自己破産が認められる可能性はあります。
ただギャンブルによる借金は免責不許可事由に該当していて、本来は免責不許可になる事例なので、他の普通の借金と比べると免責不許可になる可能性が高いということは理解しておきましょう。
参照:免責不許可事由と裁量免責
ギャンブルによる借金は免責不許可事由に該当するので、自己破産で借金をゼロにするためには裁量免責を得る必要がありますが、具体的にどのようにすれば裁量免責を獲得することができるのでしょうか?
3つのポイントに分けて解説していこうと思います。
免責の判断をするのは裁判所なので、裁判所での手続きが悪いと裁判所から悪い印象を持たれてしまい免責不許可になる可能性があります。
具体的には手続きの際の態度が悪かったり、免責審尋の時間に遅刻してくるなどの自己破産することについても反省がないような状況だと、免責不許可になってしまう可能性があります。裁判所からすれば反省してない方に免責許可を出す理由はないということですね。
ギャンブルによる借金は免責不許可事由に該当して本来は免責不許可になる事例なのだということを忘れずに手続きすることが重要です。
ギャンブルによる借金で裁量免責を受けるためには反省を示すために、ギャンブルをやってないことを証明するための家計状況の資料や、ギャンブルによる借金を反省しているということを示す「反省文」を求められる可能性があります。
しっかりと裁判所に現在はギャンブルをしてないということを示して、ギャンブルをしないということを反省文で示すことが重要になってきます。
自己破産手続きを実際に行うのは弁護士になります。そのため自己破産に慣れている弁護士なのかということは非常に重要になってきます。
自己破産に慣れている弁護士なら、ギャンブルによる自己破産の経験も数多く経験してきているので、どのようにすれば裁判所から裁量免責を得ることができるのかというノウハウがあります。
自己破産に慣れている弁護士に依頼すれば、弁護士からアドバイスをもらいながら的確な手続きを行うことがき、裁量免責を得られる可能性は高くなります。
自己破産の手続きには「同時廃止」「少額管財事件」「管財事件」という3つの手続き方法があります。
普通に自己破産を行う場合には同時廃止による手続き方法がベストです。
自己破産手続きの中で同時廃止は一番依頼料金が安く、手続き期間も短縮できる手続き方法です。同時廃止は資産がない人向けの自己破産手続き方法で、裁判所に納める予納金も安く、自己破産で同時廃止が利用できるなら間違いなく同時廃止を利用したほうがいいです。
しかしギャンブルによる自己破産の場合は同時廃止を利用して手続きすると免責が認められない場合があります。
そのためギャンブルによる自己破産では「少額管財事件」か「管財事件」を利用したほうがいいのです。
ギャンブルによる自己破産は「免責不許可事由」に該当するというのは説明してきていますが、同時廃止による自己破産手続きの場合は、破産管財人が選定されないので十分な調査を行うことができません。
つまり同時廃止による簡便的な自己破産手続きだと、ギャンブルによる自己破産について反省しているのかということや、現在の生活状況でギャンブルを行ってないかなどを調査することができません。
実際に裁判所の判決で、同時廃止を申し立てた方が免責不許可事由が発覚して、免責不許可になったという事例があります。
そのためギャンブルによる自己破産で免責を得るなら「少額管財事件」か「管財事件」を利用したほうがいいです。
管財事件と少額管財事件はどちらも破産管財人が選出される自己破産手続き方法ですが、管財事件は裁判所に納める予納金が50万円以上になり、経済的な負担が大きいです。しかし少額管財事件は20万円から利用できるので経済的負担が明らかに小さいです。
そのため単純な理由では料金が安いので少額管財事件を利用したほうがいいということです。
具体的にどちらを利用するかは依頼する弁護士と相談して決めることになりますが、どちらでも利用できるという状況なら少額管財事件を利用したほうがお得だと思います。
ギャンブルによる自己破産は免責不許可事由に該当するので免責が認められにくいというだけだけでなく、費用が安くて済む同時廃止が利用できないので、自己破産する場合に借金理由がギャンブルというのは不利です。
そのため「ギャンブルという借金理由を隠して自己破産できないか」と思う方もいますが、借金理由を隠して自己破産手続きをするのは危険です。
自己破産手続きをする際には借金や履歴を調べたり、各債権者の履歴や過去の預金通帳を調べていくと借金理由の嘘に裁判所は気づきます。
仮に嘘をつきとおしたとしても履歴や記録を確認すると矛盾点が出てくるので、そういったところから信用を失うことになりかねないです。
借金状況を調査する管財人はプロなので、ギャンブルによる自己破産を隠していてもすぐにバレてしまいます。
後でギャンブルによる借金がバレると裁量免責を得られる可能性が小さくなるので、自己破産で借金を免責してもらうなら借金理由について嘘はつかないようにしましょう。
ちなみに裁判所や管財人へ嘘をつくことも免責不許可事由に該当するので注意が必要です。
自己破産中のギャンブルはやめておいた方がいいです。
少額のギャンブルならバレない可能性がありますが、手続き中に新たに借り入れしてギャンブルようなことをしたら、借り入れ理由からギャンブルに使ったことがバレる可能性があり明らかに裁量免責を受けるうえで不利になります。
基本的に自己破産手続き中にギャンブルをしたとしても、借入さえしなければ裁判所が知る術はないので問題ないと思いますが、万が一にも自己破産中のギャンブルが知られてしまったら、反省してないと思われて裁量免責を得られなくなる可能性があります。
そのため自己破産中のギャンブルは少額でもやめておいた方が無難です。どうしてもギャンブルをしたい場合でも免責を得るまでは我慢したほうがいいです。
ギャンブルによる自己破産は普通の自己破産とは違って免責不許可事由に該当する事例なので、状況によっては免責不許可になってしまう可能性は十分にあります。
そのため自己破産手続きに慣れている弁護士に依頼することが重要になってきます。ちなみに司法書士事務所も自己破産手続きを行っている事務所ありますが、司法書士だと書類作成までしか手続きできないだけでなく、司法書士に依頼すると少額管財事件が利用できなくなります。
ギャンブルによる自己破産では少額管財事件を利用したほうが得なので、司法書士ではなく弁護士に依頼したほうがいいです。
当サイトではギャンブルによる自己破産に関する無料相談などをすることができる債務整理に強い弁護士事務所をいくつか載せているので参考にしてください。
下記で地域別におすすめの弁護士を比較しているので参考になると思います。
手元にお金が無くても自己破産は可能です! | |
自己破産は手元にお金がまったくない状況でも手続きするこが可能です。当サイトに掲載してる自己破産におすすめな弁護士事務所は、自己破産の依頼費用の支払い方法についても相談に乗ってくれるので、まずは無料相談を利用して話を聞いてみるといいと思います。 | |
自己破産が得意な弁護士を探す! |
|
北海道・東北地方 | 北海道|青森県|宮城県|福島県 |
関東地方 | 茨城県|栃木県|群馬県|埼玉県|千葉県|東京都|神奈川県 |
中部地方 | 長野県|新潟県|静岡県|愛知県|岐阜県|三重県 |
近畿地方 | 滋賀県|京都府|大阪府|兵庫県 |
中国・四国地方 | 岡山県|広島県|山口県|愛媛県 |
九州・沖縄地方 | 福岡県|長崎県|熊本県|鹿児島県|沖縄県 |