借金を滞納すると最初は電話や郵送物による借金返済の督促が行われれることになりますが、それでも借金が返済されないと、最終的には裁判になってしまい、その結果として強制執行によって資産や給料などが差し押さえられることになります。
これは消費者金融やカード会社など多くの金融業者で共通することだと思います。ちなみに税金も滞納すれば最終的には強制執行による差し押さえが行われることになります。テレビでも強制執行の様子を伝える番組があったりするので、何となく強制執行についてはどんなものなのか知っている方もいるのではないかと思います。
一般的には裁判の結果として強制執行による差し押さえが行われることになりますが、税金滞納のケースだと裁判に関係なく強制執行による差し押さえが可能なので注意が必要です。税金に関しては他の借金とは例外的な取り立ての強さを見せるので注意が必要です。
そんな強制執行による差し押さえですが、具体的にどういった資産が差し押さえられるかご存知でしょうか?強制執行による差し押さえでも全ての資産が没収されるというわけではなく、没収対象になる資産と、没収されない資産が存在します。
ここでは自己破産による強制執行による差し押さえを止める方法や、強制執行で差し押さえ対象になる資産と対象にならない資産、強制執行された場合の家族への影響などについて解説しようと思います。
借金滞納によって強制執行されることで差し押さえ対象になる資産は下記のようなものがあります。下記のような資産を持っている方は強制執行によってこれらの資産を失う可能性が出てくるので注意しましょう。
強制執行で差し押さえ対象なるのは上記のような資産になります。簡単にまとめたものですが、上記のような資産があるようなら差し押さえによって大きな影響を受ける可能性があるので注意が必要です。
差し押さえ対象になる資産の中でも一番厄介なのが給料だと思います。給料の差し押さえについては、給料全額が差し押さえられるというわけではなく、税金や交通費などを差し引いた金額の4分の1が差し押さえ対象になります。さすにが全額差し押さえられたら生活できないですからね。それでも負担は大きいです。
銀行預金や定期預金も差し押さえ対象になります。銀行預金が差し押さえられるとしばらくはお金が引き出せなくなる可能性があるので、差し押さえの可能性があるなら、あらかじめ預金を移動させておくことをおすすめします。
自動車や不動産などの高額資産も差し押さえ対象になってしまします。これらの資産は差し押さえらえると生活に大きな影響でが出てしまう可能性があります。ただ自動車に関しては普段の生活に大きな支障が出る場合には差し押さえられない可能性もあるようです。
他にも美術品や骨とう品などの換金性のある高額資産も差し押さえ対象になると思ったほうがいいです。
ただ自己破産を前提にしているなら、自動車や不動産を含めた高額資産は、自己破産すればどっちにしても没収対象になってしまうので、給料以外の資産に関してはそこまで深く考えなくてもいいかもしれないですね。
強制執行されたとしてもそのまま残すことができる資産もあります。
強制執行の差し押さえと聞くと、漫画やドラマなどで家中のものに差し押さえの札が貼られるなどのイメージがある方も多いかと思いますが、実際には結構残せる資産は多かったりします。
具体的にどのような資産を残すことができるのか下記でまとめているので参考にしてください。
強制執行されると家にあるものはほとんど没収されると思いがちですが、実際には生活に必要な家具や家電などは普通に残すことができます。もちろんベッドや布団なども残すことができるので、生活に支障がでるような資産はそのまま残すことができます。
他にも仏壇や仏像、位牌などもそのまま手元に残すことができます。これらについてはそもそも換金できるのかが疑問ですし、倫理的に没収するのが躊躇われるものだと思います。
あとは国民年金や厚生年金もそのまま残すことができます。老後に年金が没収対象になってしまったら生活ができなくなってしまう可能性があるので、年金が没収対象から除外されるのは納得ですね。
こうしてみると強制執行で没収される資産については、没収されると今後ので生活に大きな影響が与えるようなものは除外されているように感じますね。
自己破産手続きの開始が決定すると強制執行による差し押さえをストップして中止することが可能になります。
そのため強制執行が迫っていたり、すでに差し押さえられてしまっているという状況になってしまったら、早めに自己破産等を検討したほうがいいと思います。
ただ自己破産には同時廃止と管財事件という手続き方法があり、それぞれの方法によって若干、強制執行による差し押さえへの対応が違っているので注意が必要です。下記で同時廃止と管財事件での差し押さえへの対応をまとめているので参考にしてください。
自己破産を利用する方の多くは同時廃止で手続することになります。同時廃止は高額資産がないような方が利用する手続き方法で、資産調査などの手続きが免除されるので、破産管財人が選出されることなく手続きすることができるので、依頼費用も安く抑えることができ、手続き期間も短くなります。
そのため自己破産を利用するなら同時廃止を利用したいと思う方が多いですが、同時廃止の場合だと手続き期間中は強制執行による差し押さえが一時的に中止になるだけです。
つまり、まだ強制執行による差し押さえが行われてないということなら、そのまま強制執行をストップすることができますが、すでに強制執行で差し押さえを受けている状況だと一時的に中止されるということなので完全に強制執行が失効するわけではないということは知っておきましょう。
そして裁判所から免責が確定して借金の支払いが免除されることになると、強制執行による差し押さえが失効するということになります。つまり同時廃止では完全に強制執行が止まるのは裁判所から免責を受けてからということになります。
管財事件は同時廃止とは違って、破産管財人が入って資産調査などが行われて、高額資産があったら没収されて換価されてしまい、債権者に分配されることになります。
そのため破産管財人への報酬も必要になってきますし、手続き期間も資産調査や換価が必要なので、その分だけ長くなってしまいます。
ただ管財事件だと、破産手続きが開始されれば強制執行による差し押さえが失効するので、給料等が差し押さえられていたら、すぐに全額受け取れるようになります。同時廃止だと一時的にストップするだけで、免責許可が出てからようやく失効することになるので、タイミングが違うということがわかります。
一般的には同時廃止の方が管財事件よりも有利だと思われていますが、強制執行による差し押さえを受けているようなケースだと、管財事件の方が若干有利ということになりそうです。
強制執行で給料や資産が差し押さえられてしまった場合に、家族名義の資産がどうなるのか気になる方もいるかと思います。
家族がいる状況だと、強制執行で差し押さえられてしまった場合に家族にどんな影響があるのか懸念する方も多いですが、結論を言ってしまうと、強制執行されてしまったとしても家族に直接何か影響が生じるということはないです。
また、強制執行で資産や給料が差し押さえられてしまったとしても、家族名義の資産は差し押さえ対象にはならないのでそのまま残すことができます。つまり強制執行で差し押さえ対象になるのは本人に名義の資産に限ります。
とは言っても自動車や不動産(持ち家)などが強制執行で差し押さえ対象になってしまったら、間接的に家族に影響が出てしまうので、直接影響がなかったとしても間接的に家族に不便をかけてしまうということは否定できないです。
ただ自己破産すれば、どっちにしても自動車や不動産(持ち家)などの高額資産は没収対象になってしまうということもあり、最初から自己破産を検討しているなら、差し押さえがなくても自己破産手続きの中で自動車や持ち家などは失うことになります。
借金滞納による強制執行による差し押さえと、自己破産による資産の没収については高額資産が対象になるという点では一致するところです。ちなみに強制執行による差し押さえでは給料も差し押さえ対象になりますが、自己破産では給料は差し押さえ対象にはならないので安心してください。
自己破産を利用して強制執行による差し押さえをストップしたいと考えているなら、早めに自己破産に対応している弁護士事務所や司法書士事務所の無料相談を利用してどうするか決めたほうがいいと思います。
強制執行される前と、強制執行された後に自己破産するのとでは状況が違ってくるので、自己破産を検討しているならできる限りは強制執行前に自己破産してしまった方がいいです。
自己破産を検討しているということは、借金額も大きくて完済できる見込みがないということだと思うので、躊躇して強制執行で差し押さえられるよりは、思い切って早めに自己破産などの債務整理手続きをやってしまった方がいいです。
とは言っても、人によって借金状況は違ってきますし、状況によっては自己破産よりも最適な債務整理方法がある可能性もあるので、いきなり弁護士や司法書士に手続きを依頼するのではなく、無料相談を利用して専門家から詳しい話を聞いてから手続きをするか決めるといいと思います。
当サイトでは自己破産を含めた債務整理手続きに慣れている弁護士事務所や司法書士事務所をまとめています。メールや電話による無料相談が可能な事務所を載せているので参考になると思います。
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